魅力化プロジェクトとは
私たち一般財団法人島前ふるさと魅力化財団は、2014年3月の設立以来、私たちが根ざす島根県隠岐諸島の島前地域(西ノ島町・海士町・知夫村)で「魅力的で持続可能な学校と地域をつくる」ことをビジョンに掲げ、活動に取り組んでいます。
その中でも、財団の設立以前より取り組んできた″島根県立隠岐島前高校”の「魅力化」事業では、下記の様々な施策により生徒数が増加し、豊かな学びの環境をつくることができました。そして「隠岐島前教育魅力化プロジェクト」として全国から挑戦事例の1つとして注目されるようになりました。
いただいた声
島前高校 卒業生
永原 颯貴さん
島前高校に来て、島前の子にプラスして島外からも色々な生徒が来て色々な考え方に触れる機会がたくさんあります。みんなが色々な考えを口に出しているから、自分の考えもあっていいものなんだと思えるようになったん
島前高校 卒業生
梅木 岳人さん
私にとっての島前高校の魅力とは、広く色んな年代の方と関われることだと思います。例えば、夢探究の授業の一貫で幼稚園児から高齢者の方まで関わる機会があります。これは本当にすごいことだと思って。地域に愛され
島前高校 生徒保護者
表 雅子さん
学校という特定の場所だけでなく、自分と異なる人たちと共同生活ができ、地域の人たちとも気軽に接触できる環境も、彼を形成しているのかもしれないと大変魅力に感じています。
島前高校 卒業生
真野 拓哉さん
島前高校の魅力は、島内生と島外生が一緒になって学べることです。ずっと島で育ってきた私は「ここは島だし、自然ばかり、海しかない」と言いがち、思いがちで、島のことが当たり前すぎて、どちらかというと否定的な
これからのチャレンジ
教育魅力化の取組はあくまでプロセスであり、ゴールはありません。
生徒一人ひとりの主体性はどのように高まるのか、生徒の協働を促すために教員はどうあるべきなのか、小・中学校と連携して取り組むべき課題は何かなど、まだまだ課題は山積みで、悩みも尽きません。そのため、高校・寮・塾・行政・各町村の小・中学校などが組織の壁を越境して、チーム一丸となり課題に取り組むことが必要不可欠です。
そんな中、2022年の春から隠岐島前高校に『地域共創学科』が設置され、高校生たちが「仲間と共に、大人と共に、地域と共に、意志ある未来を創る」をスローガンに地域をフィールドにしていろんな力を磨いていくという、新たな挑戦が加わることになりました!
また一方で、島前三町村では相変わらず人手不足、未来の担い手不足が課題になっており、魅力的で持続可能な地域をつくるためには、隠岐島前高校の卒業生をはじめとする若手人材を地域に「還流」させることが不可欠です。
そこで2021年度からスタートしたのが、「大人の島留学」です。大学生〜20代の若者が、島に暮らしながら地域のさまざまな事業所で働くという滞在型インターンシップで、地域にどっぷりと浸かり、島の暮らしや島の人々の価値観を肌で感じる経験は、都会で生まれ育った若者たちにとって、海外留学のカルチャーショックに匹敵する越境体験になっています。
ただ、人材の還流を目的とした「大人の島留学」ですが、私たちが実現したいのは、「島留学に来た若者に移住してもらう」というあり方に限りません。一時期を島で暮らして、都会に出て、また島に戻ってくる…という人がいてもいいし、島とどこかで二拠点生活をする人や、都会に暮らしてリモートワークで島の仕事をする人がいてもいい。島を出たら二度と戻って来られない、島に戻ってきたらずっと島で暮らさなきゃいけない…という旧来の固定概念にとらわれず、「還流」にはいろんなかたちがあっていいんだと、若い人たちに感じてもらいたいと思っています。
そして2022年度から、海士町役場が中心になって担っていた「大人の島留学」を、財団が事業を引き継ぎ、西ノ島町や知夫村にも広げていきます。
これからも私たちは、島前地域での課題解決の実践が日本の未来を切り拓くことにつながると信じて日々の活動に取り組んでいきます。常に変化し続ける状況や社会課題に対し、私たちの挑戦はまだまだ続きます。
応援いただきたい理由 および 応援方法
「教育魅力化」発祥の地である隠岐島前地域は、先頭を走るからこそ見えてくる次の課題にも果敢に挑戦する存在でありたいと考えています。ないものねだりをするのではなく、あるものに目を向け、離島という圧倒的に不利な辺境からよりよいあり方を模索することができるのだと証明し続けたいと思います。
そして、この「応援」いただくための仕組みづくりも、持続可能な未来に向けた一つの新たな挑戦です。
財団では以下の2つの応援のパターンをご用意しましたので、みなさまのご希望に沿ったパターンで、ぜひ応援いただけると幸いです。
▶「魅力化応援団に入る」・・・メルマガなどで魅力化プロジェクトの情報を定期的に発信します。
▶「寄付をする(寄付サポーターになる)」・・・上記の情報発信に加え、共に様々な活動を企て、実施していきたいと思います。
ちなみに、2022年の今年は「大人の島留学」という新しい基軸が加わったことを踏まえ、私たちはマンスリーサポーター(寄付サポーター)の募集をはじめました。その意味するところは「財団に資金援助をしてくださる方」にとどまらず、「協賛者」「共創者」として、財団の未来に積極的にかかわっていただきたいとの想いです。
「自立」・・・多くの地方自治体と同様に、海士町をはじめとした島前三町村は国からの交付金をもとにさまざまな事業を展開しています。つまり、当財団の財源も、もとを辿れば国の交付金。これが途絶えてしまえば事業が立ち行かなくなるというのは、大きなリスクです。「教育と地域の魅力化」という事業を持続可能なものにするためには、「自分たちで資金を集める」という視点が不可欠です。
「共創」・・・これまで私たちが「教育」に携わるなかで感じ続けてきた課題でもあります。教育には「(教育)する・される」「教える・教えられる」という関係性が少なからずあります。でも、これが曖昧であればあるだけ、教育の場は豊かになると実感してきました。例えば、先生とは違うコーディネーターや地域の人の存在が、生徒の学びや成長を引き出すシーンをたくさん見てきました。私たちの事業も同じ。さらに豊かなものにするためには、今ある関係性を改めて開き、多様な方々にかかわっていただきながら、一緒につくっていく「共創」が不可欠なタイミングにあると考えています。
こうした思いから、マンスリーサポーターの方々とは、「寄付する・される」「応援する・される」ではなく、ワイワイガヤガヤしながら「一緒に未来を創っていく」という関係性でありたい…というのが、私たちの願いです。
マンスリーサポーターの皆さまからいただいた寄付金は、以下のような使途で活用させていただきます!
- コーディネーターをはじめとした財団スタッフの人件費
- 教育魅力化にかかる事業費用(各種イベントの企画・運営費、講師や研修費など)
- 大人の島留学にかかる事業費用(研修、フォロー、事業所とのマッチングなど)
この離島ではじまった小さな変革の灯火を絶やすことなく、これからも挑み続ける私たちに、寄付そしてマンスリーサポーターというかたちで共感・応援してくださる方が一人でも多くいらっしゃれば幸いです。応援、よろしくお願いします。
なお、マンスリーサポーターになってくださった方々との関り方は、メルマガでの情報共有およびイベント案内以外にも日々模索中です。「こんな関わり方がしたい!」「これを一緒にやりたい!」とのご要望があればぜひお知らせください。一緒に探っていくということもできればと思っています。しかしもちろん、まずは知りたい、聞きたい、見たいという方にも大歓迎です。みなさま、ぜひ温かく見守ってください。詳細は「寄付をする」ページでご覧ください。